No.3
恵比寿のスニーカーショップ『PASSOVER』と、世界のプーマシーンを牽引する静岡・藤枝の古着&スニーカーショップ『magforlia』両店がディレクションを手がけた『PASSOVER / magforlia EXCLUSIVE "PUMA- INDOOR”』。
このエクスクルーシヴモデル発売を記念し、PASSOVERによるPOP-UPイベントを、4月5日・6日に boutique guépard にて開催します。
さらに、PUMAオフィシャルディーラー契約からわずか2年でエクスクルーシヴのリリースに至った経緯やモデルの特徴を、旧友である guépard山村が取材。また番外編として、昨年のPOP-UP前日に行われた boutique guépard マネージャー a.k.a プーマ愛好家・糸数氏とPASSOVER川阪氏による「プーマベスト3」対談も掲載します。
EVENT INFO
TITLE:PASSOVER / magforlia EXCLUSIVE "PUMA- INDOOR” Release POP-UP
DATE:04/05(sat) - 04/06(sun) / 13:00-19:00
ACCESS:兵庫県神戸市中央区中山手通2丁目13−8 エール山手 2F boutique guépard
*magforliaの出店はございません。
PASSOVER/magforlia EXCLUSIVE
PUMA INDOOR white/moss green
¥15,400(in tax)
Size : 22cm-30/31cm ※甲幅のある方ははハーフサイズアップを推奨いたします。
*Limited 300 Pairs
-今回のエクスクルーシヴが発売された経緯から伺ってもいいですか?
川阪:去年の夏前ぐらいにプーマの方からmagforliaさんのほうに最初オファーが来て、やるんであればPASSOVERと一緒にやるやりたいっていうことを言ってくれて。それで大体エクスクルーシヴって本当は各企業店舗さん単独でやるもんやけども、magforliaさんとうちとの関係性とか、一緒にイベントとかもやってるから、じゃあ今回は異例だけれども2店舗でやってみましょうっていう形で去年話がまとまって。で、モデルはこのINDOORってモデルでやりますっていうことになりました。
山村:magforliaさんが声かけれる人って他にもいらっしゃるじゃない。なんで川阪とやることになったん?
川阪:元々うちがプーマと契約したのが2023年の秋頃からじゃないですか。その時も山田さんがうちとプーマと契約するなら将来的に一緒にエクスクルーシヴを出したいね、っていう話をしてくれて、それがきっかけでやっくれたって感じです。
-念願のコラボと。
川阪:念願のコラボというか一緒に1つの物を出すってことができた記念すべき第一弾。というか始まりとしたいかなっていうところですね。エクスクルーシヴやるっていうのも本当に実力がある程度ないとできないことで、山田さんのところも単独でやるのに11年とかかかってるところ、うちは2年とかでやれることができたので本当にありがたい話ですね。去年から今回のboutique guépardでのPOP-UPもそうやけども、セールス的なところでメーカーに貢献っていうよりも、面白いことをやっているとか、プーマの見え方を良くするっていう事に注力をしてて、そういった面でもよくやってくれてるっていう評価を頂いてたようです。
山村:相変わらず引きは強いな。
川阪:そうね、引きだけでやってるね。
-エクスクルーシヴで選ばれたモデル、INDOORについてはどういう印象でしたか?
川阪:去年インラインで同じような配色やけどもう少し色が薄いグリーンが出た時に、その時にINDOORの印象がすごい良かったんだよね、お客さんの評判も良くて。個人的にもそういう体育館でのスポーツ好きやし、ナイキでいうとダンクとかそういうモデルにも共通する雰囲気が好きだったので、そういうのもあって今回INDOORでできて良かったなと。
-去年発売されたINDOORも緑ということですが、今回のエクスクルーシヴとの違いはありますか?
川阪:ディティールも使ってるマテリアルも結構違ったりするし、色合いも表情も全然違う雰囲気になったかな。詳しくは是非PASSOVERとmagforliaの店頭、今回のPOP-UPに見にきてください。
山村:なんで緑だったの?
川阪:プーマとしては元々イメージ的にもこう言う色ってのがあったうえで、山田さんと一緒に選びました。オリジナルと比べて見た目オーセンティックなことには代わりないんやけど、ただやっぱりオリジナルとレギュレーションが違うってところが面白いかな。
-オーセンティックなカラーリングだけど、オリジナルのレギュレーションとは違うって事ですね。
川阪:そう。ただオリジナルのレギュレーションからは変えようって事だった。ディテールの違いで今までにないオーセンティックな雰囲気を出すのがプーマらしさの1つかなと。そういった意味ではハマりはすごく良かったかなと思います。
山村:オリジナルに忠実みたいなの飽きた、みたいな?。
川阪:うん、オーセンティックだけどオリジナルのレギュレーションとは違うぜっていう。
-今回のイベントはどういう感じの内容になりますか?
川阪:去年boutique guépardでのPOP-UPがご評判いただいたんで、さらにパワーアップして帰ってきたいなっていうのがあるので、このエクスクルーシヴをメインに他のモデルもセレクトして持っていこうと思ってます。
-他に持ってくるモデルは決まっていますか?
川阪:今のところは今シーズンで出てるスピードキャットだったりとかパレルモ。かな今のところ、うん。あと残してるクライドとスウェードとかを持って行ったりしようかなと。これらは本当に今シーズンで出てないんで。
-分かりました。ありがとうございました。
川阪:結構あっさりですね。まだまだ話せますよ!
-結構あっさりじゃないと、プーマのベスト3対談も一緒にくっつけようと思うんで。
川阪:糸数君とのやつ?
-そうです。あれまだどこにも載せてないので。
川阪:ああ、はいはい。昨年のやつね。
-では最後に意気込みをお願いします。
川阪:そうですね、今回も去年同様盛大に盛り上げていきたいと思います!たくさんエクスクルーティブ売りたいです!
山村:力入ってエクスクルーティブになってたで。
去年開催したPASSOVER POP UPに合わせ、boutique guépardマネージャーでプーマ愛好家の糸数と、PASSOVERオーナー川阪氏とのそれぞれが所有するプーマベスト3を選出。
※記事内の情報は2024年3月取材時によるものです。
-では糸数のベスト3からお願いします。
糸数:これは80年代の台湾製のスウェードで、多分ちょうどアジアの生産に切り替わったあとのものだと思います。ユーゴスラビアが70年代、アジアは台湾から生産が始まってますよね。それに切り替わったあとのだと思います。
-台湾製は他の国や年代と違いはあるの?
糸数:ユーゴスラビア製のプーマを実際僕は手にしたことはないんですけど、現行のもの、チャイナのものを比べたとき、ライニングのレザーの質感が違うなというのは感じましたね。あと作りの部分でいいなという感覚ですね。
川阪:これ気をつけてしゃべらなあかんで?
-爆笑
川阪:ここら辺は気をつけないと!もう少し浅いところで抑えとかんと!これ深くしゃべれる人はいくらでもいるから。
-そうですね。あくまでオタク目線でということで。
糸数:僕はこれSOMAさんで買いました。
川阪:日本一のビンテージスニーカーショップ。仲良くさせてもらってます。通販?
糸数:出た瞬間にほしいですって言って、先着なのもあって購入させていただきました。カラーも去年ぐらいに復刻されているカラーですね。
川阪:このシルエットだけでもだいぶ買ってるんじゃないの?
糸数:だと思いますね。あと、これ多分タンタグって言うんですよね?アディダスのスーパースターとかにもあったりするんですけど、タンタグって。
-タンタグって何?
川阪:タンがついてるタグのことです。
糸数:単色のタグがあるんです。通常はこの緑とグレーの。
-これは年代を感じるやつなの?それともこのモデルがこれなの?
糸数:いや、結局これもタンタグなんですよ。カラーで多分統一してたんじゃないかなと。ここは僕もちょっと具体的には言えないですけど。
川阪:ある程度色はあったと思うけど、今はもう緑しか基本使ってない。
-めっちゃおもろいね。
川阪:プーマ形は同じものしかないにしろ、細かい違いがめちゃくちゃあるんです。
-じゃあ同じ型でも年代によってシルエットが違う、みたいな。
糸数:違います。90‘sのこれも全然、トゥーの長さも違うし。
-これ同じじゃないの?
糸数:スウェードなんですけど、年代が違うんです。
川阪:サイズも同じ?
糸数:サイズはUS10。ここのトゥーの短さ、僕はめちゃくちゃ惹かれますね。
-なるほど。では2つ目は?
糸数:90‘sのチャイナのときの、多分全盛期ですよね。一番人気だったときのスウェードですね。
-確かにトゥーの形、全然違うね。
糸数:全然違うんです。色が僕はめちゃくちゃ気に入ってて、これも安かったです。いちま…
川阪:値段の話はいいか。(笑) でも、いいタイミングで買ってるんだ。
糸数:そうですね。タイミングはよかったです。
-けどこっちのほうが割れてきてるね。
糸数:そうなんですよね。多分そこは、本革のレザーの違いだと思いますけどね。質感が全然違うんで、そこに違いはあると思いますね。今ちょっと90‘s、人気出てきてますよね。
川阪:そうね。80‘sとか70’sが出てきたのって、古着もそうだけど、ちょっと新しい、ビンテージと言えないけれども、みたいなのが注目浴びてる。
糸数:あと大きな作りの部分でいくと、ステッチ。ステッチがこっちはないんです。セメントって言うんですかね。何て言うんでしたっけ?縫ってる製法のところ。何か名前ありますよね。
川阪:分からないです。変なこと言いたくないんで。
-爆笑
糸数:ユーゴスラビア製のもの、川阪さん見たことあります?
川阪:ちゃんと見たことはないかな。
糸数:実際にステッチがあるのとないので、現行でも出てますね。多分年代で分かれてるんです。クライドは70年代なので、ステッチが入ってないですね。
-年代によってステッチが入ってるのと入ってないのがあると。
糸数:これはユーゴスラビアで製造されていたときのモデルを再現してるので、ステッチは入ってないんです。アジア生産に切り替わったときに多分ステッチ入るようになったと思うんですよね。
川阪:でもよくなってるはずだから。ちょっと剝がれにくくなったというか。
-では3つ目は?
糸数:MIJ Collectorsです。これも90年代のときにコレクターやマニアに人気だったレイカーズカラーを山田さん(先述の「magforlia」オーナー)がディレクションしたものですね。
川阪:日本のエクスクルーシヴで、日本製で。
-日本製なんだ。
川阪:プーマの強みっていうのがMIJ、メイド・イン・ジャパンのモデルを出せるという。しかも日本での展開だけ。
-そういうのはほかの国でもやっているんですか?国エクスクルーシヴみたいなものは。
川阪:ないかな。例えば今だと、このあと言おうと思うけど、ルーマニア製だったりとか、イタリアメイドもたまに出たりとか。あとは今だったらチャイナ、ベトナムぐらいしか。
糸数:多分モデルで生産分けていたりして。
川阪:ちょっと木型が変わったりするけども。
糸数:ルーマニア製のスウェードとか多分出てないですもんね。
川阪:うん、出てない。
-そこまで分かれるんだね。
川阪:ニューバランスだったらUSAやUK、アディダスもたまにメイド・イン・ジャーマニーとか、メイド・イン・フランスとか作っていたりするけど。本当に特別なときだけ、みたいな。プーマはそういうのも強みかな。
-それでは次、川阪さんのベスト3を。
川阪:ベスト3、こっちからいきましょう。オスロ。60何年ぐらい前、戦時中かな。オスロでオリンピックをやった記念だから「オスロ」って名前で、ナチスドイツが不参加の時代の。すごい好きで何足か持ってて、よく履いてるっていうことでこれを選んだんですけど、このモデル自体は2020年のPUMA創設者のルドルフ・ダスラーにちなんだコレクション「ルドルフ・ダスラー レガシー コレクション」で出て。マークも、こういうDのマークにピューマくぐってるみたいな。
川阪:色合いがきれいで鮮やかなブルーが好きなのと、履いたときのボリューム感が、俺の中ではエアフォースぐらいのしっかりしたボリューム感があるというか。このブルーの入りとかはとにかくきれいで、一番良いのがこのつま先のオーバーレイ。この感じがめちゃくちゃいい。ちょっと細めで、これがすごくきれい。今だったらこういうつま先、アディダスのサンバみたいなオーバーレイの仕方はいいっちゃいい。この内羽根の感じがよくて。
-どことなくジャーマントレーナーっぽい雰囲気ですね。
川阪:そうですね。基本的にはトレーナー仕様です。それこそジャーマントレーナー、プーマやってたでしょ。最初に作ったの、ドイツなんで。確かナチスから言われて作ったんだよね。だから近しいところはあるかな。履いたときのシルエットとかめちゃくちゃいいんだよね。このダスラーのマークがスペシャルな感じもするし。割と好きで、ほかの色とかも持ってるんですけど、よく履いてるかな。めちゃくちゃ人気のモデルっていうわけでもないけど、ビンテージでそんな騒がれているようにも見えないけど、自分的にはよく履いてて、ベストに入る。
糸数:コンタクトソールですね。ソールが違うんです。ドイツで作ってたときのやつはコンタクトソールで。70’sの西ドイツ製のプーマを手に入れたときが1回あったんですけど、それもコンタクトソールだったんです。オリンピックとか、競技用がもしかしたらこのソールだったのかもしれないですけどね。
-トレーニングシューズ、なるほど。
糸数:ここのソールの作りが全然違うので。
川阪:やっぱりほかにはないシルエット感があるね。
-分かりました。では2つ目。
川阪:2つ目はウィークエンド。これ個人的にものすごく好きで、なんかかわいいよね。このクレープ系のラバーソールがすごい良くて、フォームストリップがないミニマルの感じもいいし。結構好きなモデルで、色違いで何個か持ってるんですけど、ブラウンっていうのがかわいいんで、いいかなと思います。去年このオリジナルカラーは出て、まだ今も売ってるから今のうちに買っておいたほうがいいです。理由は、これが最後のルーマニア製。もうプーマはルーマニアの契約切ったんで。だからこのウィークエンドが最後のルーマニア製。今市場に出てるルーマニア製のシューズでいいのがあったら買っておいたほうがいいかな。あとルーマニア製、クラブとか持ってるけど、そういう生産国が違うってだけでスペシャル感もあるし。
糸数:レザーの質感が全然違うのと、ルーマニア製は匂いが違います。
-匂いが、違う?(笑)
糸数:ルーマニア製は違います。
川阪:そう。でもこれ、匂いは前の匂いじゃないよ。甘っぽい匂いしない。
糸数:でも質感はめっちゃいいって言いますよね。バスケットも途中で確かルーマニア製になって。
川阪:そう。これはもう多分匂いはしなくなったんですかね。この前もポップアップの時に匂いの話が出て。
糸数:結構有名です。ルーマニア製の匂いの話は結構有名。
川阪:ソールのゴムに練り込んでる薬剤が変わったかなんかで匂いがなくなって、匂い残念問題が結構あって。
-爆笑

川阪:俺はどうでもいいから。気持ち悪いこと言ってるなと思って。(笑)
糸数:前プーマ界隈で言ってたんです。
川阪:これ自体も背景が好きで、基本的にスポーツメーカーでトレーニングシューズって名目で出すんだけど、これは本当にライフスタイルシューズとして出していて。しかもヨーロッパ向けの市場に向けて、それこそウィークエンドっていうぐらいで週末に履いてもらうっていう打ち出し方で出てるっていう。今は普通にこういうシューズは、そもそもスポーツで履かれたものをライフスタイルに落とし込んでるけど、そもそもライフスタイルに落とし込んで出しているというのが結構いいかなと。個人的には結構ミニマルなデザイン好きなので、なかなかよろしいかなと。
糸数:これってハワイのと一緒なんですか?
B:ハワイとソール一緒。
-ありがとうございます。では3つ目。
川阪:CYH。世界のプーマシーンを牽引している静岡magforliaオーナーの山田さんがディレクションした、クライドが50周年として出たモデル。まずプーマの強みが、さっき言ったMIJという日本製企画があるってことです。MIJはクオリティがすごくいいっていうのもあるんですけど、まずこれは姫路レザーを使っていて、色の出が違う。チャイナとかベトナムより全然色の違いがあって、これ自体はさらにビンテージ感を増すために、ワンウォッシュかけてるからちょっと浅めのケリーグリーンになってるけど、このピッグスウェードのきれいな色立ちが出てるっていうのがすごいいいかなと。 これ自体は作ったときのコンセプトとして、ビースティボーイズがプーマをよく履いていたと。でも意外とアディダスのイメージがあって、プーマ好きな人だったらビースティが履いてるっていうのは結構認知してるけど、そもそも今回の、ビースティが背景にあるっていうのが面白いなっていうか。で、これ何よりもすごいのが、シルバーのフォームストリップでケリーグリーン。これが黒に銀とかはあったりするけど、実はこの配色って今まで出たことがないという。
-へー!緑に銀の配色は今までになかったと。
川阪:そんなことあんねや、みたいな。こんだけいっぱい出ててまだ出ていない配色あったんや、と。それを日本製規格でやって、日本でしか手に入らないという。個人的には色味がすごく好きで、あとプリントも結構ボールドになりがちだと思うんですけど、そこはシルバーに抑えてやってて、すごくいいかなと。タンタグもプリントにしてて。
-とてつもなく細部までこだわっていますね。
川阪:ベストシューズ。糸数君のほうがビースティ好きで本来はそっちかもしれないですけど、個人的にすごい好きで。これがここ何年かのベストシューズです。
-この時代にこれが出るっていうのが確かにすごいですよね。
川阪:すごいよね。色味もすごいし。プーマの代表的なケリーグリーンってカラーリングっていう。
糸数:今まで出たケリーグリーンで一番きれいだと思います。
川阪:ちょっと荒っぽい毛の感じとか。MIJは本当に色きれい。ほかのアジアの生産でなるのと全然違って本当にきれいです。
-確かに。すごい鮮やかですね。
糸数:逆に折りじわとかが入ってきたらもっとかっこいいと思いますね。
川阪:このあと履き込むことも意味があるシューズだから、長い目で見るとすごくいいかなと思って。
-このMIJに対して海外のユーザーはどういう気持ちで見てるんですか?
川阪:海外のユーザーはMIJに関しては、一部の好きな人は本当にどうにかして手に入れたいと。けど情報もあまりないし。でもどこだったか、東南アジアのコレクターの人は熱心に買ってるって聞いてるけど。日本だけ恵まれてるんです。
-なぜ日本だけそういう企画があったりするんですかね?
川阪:プーマジャパンの努力としか言いようがないです。やっぱりビンテージのマーケットが日本は強い。アジアでも、スニーカーカルチャー自体一番古いし、コレクター気質、オタク気質も強いから、そういう知識を持っている人がすごく多い。だからこういうものを再現できたりすることが多いのかなって。細かいディテールとかね。本当に何言ってるから分からんこと、ずっとみんな言ってるから。匂いしかり、製造方法がどうみたいな。
糸数:さっき挙げたレイカーズカラーのスウェードもMIJでスウェード50周年企画です。2018年でしたっけ。17年に販売されたんですけど、18年が確か50周年イヤーで。
-やっぱり糸数はそういう背景が好きなんだね。
糸数:多分病気です。ビンテージもそうですし。
川阪:guépardでプーマのPOP-UPやるっていうのはなかなか意外だったけどね。
糸数:より深いところまで行きたいですよね。これら持ってくるのは全然苦じゃなかったです。なんならちょっとメンテしてきましたもん。こんな好きなものを話せる場所なんてないんで。
川阪:そういえばSOMAのコンバースは買った?
糸数:買えました。CHEVRON、ONE STAR両方買いました。ただプーマのグリーンモンスターは買えてなくて。でも二次流通はもう高すぎて買えないです。
川阪:でもあれアウトレットに流れたの知ってる?
糸数:知ってます。色違いですよね。結構みんな情報聞きつけて買いに行って、今値段普通に上がってますからね。
川阪:そりゃ上がるよね。そんなのだって面白いもん。俺は全然そういうの面白くて好きだけどね、そういうイレギュラーな流れって。さっきのバンの話もそうだけど。納得いかなくてドロップしたけど作っちゃったから流して、みたいな。でも一言も連絡いってないみたい。(笑)
-なるほど、コミュニティというか、大きなシーンがあるんですね。
川阪:あるね。メインではないところで。結構面白いなと思ったのが、去年スーパーマグマートってmagforliaさんがやっているイベント出たときに、結構ローテク好きで履いてるけども、最近ずっとテックっぽいやつ履いてたしな、それに合わせたらアークテリクスとか着たりするから、服装はちょっと合わせていきたいなって考えてて。で、スーパーマグマート行ったら、たまに紛れ込んでる系なんだけど、全身シュプリームで固めたりとか、それこそアーク着たりとかしていて、足元クライドとかなんです。ありちゃうな、と思って。
-爆笑
川阪:でもそういう人も足元はプーマいきたいんだと。全然合ってへんな、と思ったけど。でもまあそういうのもありになってきたんだったら全然いいなと思って。
-そういう意味でも、いろんな層に届いているブランドなんですね。
川阪:超王道のマイナーやと思うね。言うても巨大なスポーツメーカーで、でもナイキがあって、アディダスがあって、その下に今ならニューバランスがあって、今ならOnもあるし。大体5番手ぐらいにずっと来てると。そういう立ち位置もあって、こっちの意見吸い上げてもらえるし割と柔軟にいろいろやってくれる。
-ハイエンドな層から若い子とか小さい子も履いてる。でもここまでいくと、糸数みたいなオタクがわらわら集まってくる。独特なコミュニティを創り上げてますよね。
川阪:そうね。王道の中のマイナー感がすごく強いんじゃないかなと思って。王道のくせにマイノリティ感強いっていう。
-なるほど。面白かったです。ありがとうございました。